Episodes

土田圭介

EPISODE002

本来デッサンは「面」に合わせて線を描くが、たまたま本来と違う「縦」で線を描いた。その瞬間こそが、鉛筆画家 土田圭介が目覚める瞬間でもあった。高校卒業間際に「絵が好きだから」という安易な思いつきで美術大学を受験するも、しっかり準備のできていない状況での結果は、想像通り進学できず会社勤めを選択する。しかし、絵を描きたい!という気持ちは高まるばかり。その後再チャレンジし、京都造形芸術大学に見事合格。しかし周囲の学生のレベルは非常に高く、「自分らしさ」を模索するも、そう簡単には狙って出てくるものでも無かった。社会人経験の間に忘れてしまっていた描くための手法など様々な不利な要素も抱えていたが、その忘れてしまった手法の代わりに、偶然出てきた描き方が今の土田作品の主軸にある「縦の線」であった。会社勤めの期間は土田にとっては遠回りでもなんでもなく、むしろ今の「鉛筆画家 土田圭介」となるべきプロセスの一環とも感じ取れる大切な「時間」だったのかもしれない。土田は「縦の線」を磨き上げ、武器に仕立て上げた。その線は様々な表情を映し出し、さらに幼少期から好きだった作画のエッセンスを取り込み、そこに想像力を加えて独自のファンタジーな世界観を創造した。それらは瞬く間に多くの人々を魅了させた。まさに土田にしか描くことができない要素で「鉛筆画家 土田圭介」を見事に誕生させたのだ。土田に最も影響を及ぼした鉛筆画家がいる。木下晋さんである。ハンセン病回復者の詩人である桜井哲夫氏の肖像画でご存知の方もいると思うが、木下氏の作品を前に、土田は込み上げてくる感情を抑えきれず涙を流した。この時、土田は作品に「説明というものはいらない」ということを改めて実感し、本物へのこだわりを意識し始めた。モノクロームで創り出される土田の鉛筆画に心をゆだねて是非観てみてほしい。エネルギーをもって創られた「本物」は人の心を明るく照らし、新たな希望の光が色をつけ出す。

 

土田圭介 Read More

2018.07.06

RECOMMEND

Episodes

秋貞美際

EPISODE001

大手IT企業「サイバーエージェント」で秘書として働いていた秋貞美際。仕事柄お花の手配をしていく中で...

2018.06.06

Episodes

中村ノブアキ

EPISODE002

「大人の小劇場」をコンセプトに社会派テーマをリアリズムで描くシアターカンパニーJACROW代表中村ノブ...

2017.12.29

Episodes

ミヤザキケンスケ

EPISODE004

世界へ飛び出し、現地の人々と共に壁画を描く「Over the Wall」プロジェクト。 アーティスト ミヤザキケ...

2019.04.05

Episodes

柴野大造

EPISODE002

本場イタリアジェラート界から「フェラーリの新型エンジンを探しに来た!」と言わしめた柴野大造。2018...

2017.06.28

Episodes

下川正將

EPISODE002

インドの国技カバディ。この本場インドにてプロリーグが立ち上がり、日本人選手が招聘された。男子日本...

2018.02.09

Episodes

水野智路

EPISODE001

親子三代に渡って「練り込み陶芸」を伝え続ける陶芸作家水野智路。「金太郎飴」の技法で作る練り込み陶...

2017.11.15

Episodes

内田慎之介

EPISODE001

「初めて見た!と言われるのが嬉しい」と愛らしい笑顔で語ってくれたのは「マンガライブペインター」の...

2017.02.25

Episodes

島口哲朗

EPISODE002

日本人選手の活躍が期待される2020年東京オリンピック。昨今では「サムライ」という言葉がキャッチーに...

2018.06.08

Episodes

横田陽介

EPISODE002

「遊びが仕事!」と唱えるフリースタイルフットボーラー横田陽介。 遊びながら「大事なことを学ぶ」とい...

2017.10.20

Episodes

鬼原美希

EPISODE001

まるで筆で描いたかのようなきめ細かい織物をつくる織物アーティスト鬼原美希。彼女の作品は日常の何気...

2018.03.07

NEXTYLE -ネクスタイル-

自分創造メディア 「NEXTYLE」
NEXTYLEは時代を創造するグローバルクリエイターたちの「スタイル」を共有する空間。
NEXTYLE は、日々自分と向き合い、全力で夢の実現に向かって歩む
アーティストやクリエイターの満ち溢れる情熱にフォーカスを当て、
彼らの「今」、そしてこれからの「ビジョン」を映像コンテンツとして映し、ユーザーの皆さんに届けます。

ページ上部へ