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EPISODE002
アトリエで絵画を描く中、画家 松島純はなぜロシア芸術に魅了されていくのかがわかる表現を口にした。「描く対象をただ描くのではなく、その中で自分に最も強く訴えてくるものだけを描くのが写実」そう語る松島は、笑顔の素敵なロシア人老婦と言葉を重ねながらも、その老婦の存在感をまっすぐに捉えながら、一筆一筆迷いなくキャンバスに筆を落としていく。気が付けば、老婦との会話や仕草はまったりとした優しい時の流れに溶け込み、キャンバスの中で彼女の人生の色となって現れていた。圧巻である。ロシアのアカデミーで多くの事を学んだ松島。中でも「視る力」は彼の作品を描く上で最も重要な要素。朝から晩まで僅かな休憩時間だけが与えられる中でモデルを前に描き続けた3年間は、考えて描くのではなく、見ているものに対してまるで反射しているようだったと語る。目で捉えるモデルに対して身体が自然と筆を導くのであろう。絵と対面し「無」になれた瞬間、それは松島にとって努力という言葉では言い表せないほどのかけがえない瞬間である。松島純にとって言葉にできない抽象的なもの、それは彼の心の目で見た「その人」であり「世界」なのだろう。一つの絵を描き上げることよりも、さらに次の作品を良くするために絵を描き続ける松島の絵画への好奇心と探究心は留まることをしらない。被写体の強く訴えてくるものだけを描いてきた松島。そんな描いている松島の姿から、とてつもなく強くて訴えてくるものを感じずにはいられない。
2018.05.02
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