Artist
Artist – 清水陽子
自然のメカニズムが生み出す美しさに魅了されてアートを想像し、創造する。それは「科学」であり「芸術」を融合させたインスタレーション。それらに挑み、そして具現化した人物がいる。科学者であり芸術家である清水陽子だ。学生時代に「文系」と「理系」を選択した人は多いのではないだろうか。「なぜ分けるのか?」疑問も持たずに好きな方を選んでいた。しかし、そういったカテゴリーの枠を越えて創り出した清水の作品は僅か数年で様々な世界に展示されていった。国内はもちろん、ドイツ・オーストリア・アメリカ・韓国など主要エリアでの多くの受賞、そして多くのメディアにも取り上げられた。日本で生まれ、その後中学生までをアメリカで育ち演劇や芸術に影響を受けてきた彼女にとって、芸術という領域は清水自身の存在理由としても切っても切れない世界と感じていた。しかし大学で「自然」を学ぶには理系の大学に行かなければいけない。その選択で苦しんだ経験が、アートと科学を融合させたインスタレーションを生むこととなった。身の回りに溢れている自然は、わかっていても改めて見る機会は少ない。清水は自然の美しさを可視化し、人々に伝え易い「アート」という創造物として見事に映し出している。現在では「Lab+1e」というラボを立ち上げ、「科学」そして「芸術」の両視点からアートとして体験するワークショップの開催など、精力的に活動している。清水が尊敬する人物に、発明家で知られる「トーマス・エジソン」がいる。彼の最大の発明は「研究開発」というみんなで何かを開発するというプロセスだった。まさに今清水はその一端を担おうとしている。好奇心や遊びの先にある発見を求め、失敗を恐れず追究するその先に新たな分野が誕生するという「瞬間」に出会えたようだ。