鶴
鶴 – 秋野温
70’~80’ソウルミュージックやロックを融合させ、ポジティブな歌詞と3ピースというバランスのとれたフォーメーション、極め付けにこの手のバンドには珍しい絶妙なコーラスワークがキラリと光るバンド「鶴」。このバンドの作詞作曲、そしてボーカルとギターを担当しているのが秋野温である。「なんて耳に残る歌詞だ!」と驚かせてくれた秋野の歌詞には、リスナーが求める「ポジティブ」な内容、覚えやすい「話し言葉」、そして何より「愛」がある。本当に気持ちの良いミュージシャンだ。結成して15周年を迎えるベテランバンドの領域だが、最近のアルバムまで順に聴いていくと、全くもって安定させないのがわかる!リリースするアルバムに収録されている楽曲全てで挑戦しているのである!まるで実験を楽しんでいるようだ。映画の主題歌はもちろん、TVドラマやバラエティ番組の挿入歌としても起用され確実にファンを増やし続けているロックでソウルなバンド「鶴」だが、秋野がボーカリストとなったきっかけはひょんなことから始まる。もともと所属していたバンドを今のメンバーとともに辞め、3人で組みなおした時に肝心なボーカルを「決まるまでとりあえず…」で担当したのが秋野だった。もともとコーラスが好きだった秋野は流れに身を任せるようにボーカルを兼任、彼の歌声と飾らない歌詞は、あっという間にオーディエンスを虜にしてしまった!そんな秋野を受け入れてしまった理由は明確。同級生である3人の圧倒的な信頼関係であろう。もはや家族よりも一緒にいる時間が長いわけだ。彼らの最強のリズムワークに変則的なブレイクはプログレッシヴばりの要素を持ち、ロックなギターワークにダンサブルなソウルテイスト、コーラスワークで一見混ぜごはんのようだが、お代わりをしてしまうほど癖になる。そんなサウンドにオーディエンスはライブでこれでもかと声を上げて一体感を感じる。まるで一緒に演奏しているかのようにグルーヴしているのである…。そこに秋野の人間力満載の歌詞と歌声!最高だ!