Painter

松島純

絵でしか表せない何かのために描き続ける

Painter – 松島純

人間のリズミカルな動きや柔らかい表情を絶妙にとらえる画家 松島純。彼の描く絵画は主に「命」があるもの。見つめる・踊る・呼吸する。写真がとらえる「ある切り取られた瞬間」ではなく、人間の「仕草」や、その「動き」を彼はキャンバスに落とし込んでいく。ロシア文学やイタリア芸術から芸術全般に興味を持ち、大学入学から絵を学んだ松島は、2003年にはロシアへ渡り、「ロシア・サンクトぺテルブルク国立美術アカデミー」にて才能のある学生にかこまれながら写実を中心に学んだ。日本を離れ松島がロシアでの学びで最も得たのは「視る力」だった。肖像画を長い時間かけて描く中、松島は会話によって引き出されるモデルの様々な表情やしぐさを一つの絵の中に巧みに落とし込むのだ。そしてその作品は見る人の「その時の気持ち」によって様々な表情を映し出す。松島の作品を見ていると、「今の自分の姿」をまざまざと見せつけられる、まさに心を映す鏡となっているようだ。キャンバスの前に立つ松島が常に追い求めるのは、「言葉にならない衝動」を描くこと。唯一導いてくれるのは手にした筆だけだ。キャンバスにゆっくりと浮き出てくる「命」と出会うために「無意識」を意識する松島。見る者のイマジネーションを奮い立たせる松島の作品からは、その命の呼吸を感じる。

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