Para-swimmer

久保大樹

「伝えること」それが僕に託された泳ぎ方

Para-swimmer – 久保大樹

パラリンピック水泳選手、久保大樹。1歳のころからはじめ、本格的に競泳を始めたのは小学校4年生。今は以前と違った形であるが、競泳を続けている。幼少期に彼が思い描いていた目標は、水泳の「オリンピック選手」だった。ジュニアのころから全国大会に出場し、様々な大会で好成績を残してきた。インターハイではメドレーリレーで優勝も果たしている。しかし、自分に課した目標を達成できずにプロへの道を断念。体育の教師になり、次の世代に教えることにやりがいを見出しはじめた。自分の大好きな水泳を教えること、さらに生徒のタイムが上がっていくことは、久保自身にとって喜びに繋がっていき、自分に向いている!と感じ始めていた矢先だった。久保の身体にある変化が訪れる。神経疾患の難病であるギラン・バレー症候群の発症であった。一時、首から下が全く動かなくなってしまう。リハビリを続け、少しずつ歩けるようになったものの、あまりに辛過ぎる現実を受け入れなければならなかった。ある日、再び水泳に触れた久保は歩くことよりも泳ぐことのほうが自由に進める!と、もう一度競泳への扉を自ら開いた。現在では、日本身体障害者水泳連盟の育成S指定選手として選ばれ、表彰台を自分の力で登っている。数々の難関を乗り越え、水泳と共に生きるその姿は多くの人に勇気と力を与えてくれる最高にかっこいいスイマーである。

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