Artist
Artist – 深堀隆介
誰もが知っている「金魚」。お祭りの風物詩でもある。この金魚に魅せられ全く新しい世界を創造したのはアーティスト深堀隆介。深堀が描く金魚は見たその瞬間を捉える。その金魚は今にも動き出しそうでいて、それでいてどこか妖艶な世界を覗かせる。さらには酒枡に何層にも流し込んだ樹脂一層ごとにペイントを施し、立体的な、見事な金魚を描いているのだ。この技法で描いた金魚は「動きそう!」ではなく、動いている瞬間をまるで時間を止めたかのように存在させたのである!この技法を発見し確立するまでに10年の歳月を要した。そのアイディアと、作品のリアルさが評判を呼び、日本はもちろん、台湾、アメリカなど、様々な国で賞を受賞している。鮒を品種改良し、人間の手によって生み出された金魚。だからこそ、「その在り方に自由を感じた」と語る深堀。「心の目」で自身が触れたものと金魚を捉えた瞬間、彼の筆は動き出すようだ。見るものを魅了する深堀の作品は、7年育ててくれた金魚の深堀への恩返しかもしれない。